2019年8月 のアーカイブ

聖愛幼稚園のこと、お伝えします(2)幼保の違い

2019年8月2日 金曜日(お知らせ

園長の野口です。こんにちは。

今回は「幼保の違い」について、「制度的な違い」を切り口として書こうと思います。私立幼稚園園長の拙い知識がベースになっていますので、なるべく偏らないように意識していますが、細かいところは各自で補足して、バランスをとっていただければありがたいです。

 

  • 保育園保育を必要とする事由」がないと入園することができません。入園するためには市役所に申し込む必要があります。そして市がその「事由」を点数化して優先順位を付け、高い方から順に希望する保育園へ入ることができます。幼稚園は、入園を希望する幼稚園に直接願書を出し、入園面接等を経て、入園許可された後に入園となります。「保育を必要とする事由」は必要ありませんが、多くの園で「自園の保育方針に賛同していただけること」が条件になっています。入園希望者が多い場合には、園による選抜(方法や基準や園ごとに異なります)がおこなわれ、不合格になることもあります。(聖愛幼稚園では、入園希望者多数で選抜するということは今はありませんが、面接時に園の教育方針と保護者の考えがあまりにも違う場合は他園をお勧めすることがあります
 
  • 保育園は厚労省管轄の児童福祉施設です。幼稚園と比較して、保護者のニーズに合わせて長期間、長時間子どもを保育する環境が用意されています。利用に際しての保護者負担も少ないです。
    幼稚園は文科相管轄の「学校」であり、子どもたちを「教育」することに特化した施設だと言えます。
    とはいえ、保育園も教育的なことをおこなっていますし、幼稚園も「預かり保育」で、長期間・長時間の預かりを実施しています。ただ、そもそものスタート地点が違うので、「まったく同じ」という訳にはなかなかいかないと思います。少なくとも聖愛に関しては、「保育園と同じレベルの預かり保育」ではありませんし、それよりも「教育の質向上」に力を入れている状況です。
    では、幼稚園、保育園の「教育」はどう違うのか、という話は・・・長くなるのでまた後日書きたいと思います。
 
  • 受け入れる子どもの年齢ですが、多くの保育園は0歳からですが、幼稚園は満3歳(3歳の誕生日を迎えた月)から入園が可能です。ですが、満3歳児の受け入れはせず、3歳児から(3歳の誕生日が来た次の4月から)受け入れる幼稚園も多いです。聖愛幼稚園は、来年度から満3歳の受け入れもできるよう準備しています
    2歳児の「プレ保育」をおこなっている幼稚園も増えてきました。ですが、これはあくまでも幼稚園が独自におこなっている活動であり、正式な在園児としてカウントされるわけではありません(なので在園児には市から負担軽減の補助金がでますが、プレ幼稚園の子どもたちには出ません。無償化後も、満3歳児の保育料は無償化の対象になりますが、プレ保育の2歳児は対象になりません)。
 
  • 保育園には必ず園内に調理施設があり、給食を提供することが義務づけられています。幼稚園にはその義務はないので、お弁当持参の幼稚園や、外部搬入の給食を提供する幼稚園、自園で調理する給食を提供する幼稚園等、園によってそれぞれ異なります(聖愛幼稚園は自園調理です)。
 
  • 運動場の設置基準が異なります。幼稚園はクラス数によって広さが決まります。聖愛幼稚園の場合、9クラス276名が認可定員なので、400+80×(9ー3)=880平方メートル以上の園庭が必要となります(実際には1200平方メートル以上あります)。保育園の場合は、「満2歳児以上の園児1人につき3.3平方メートル以上」となっています。また、都内の保育園など、園庭の確保が難しい場合は近くの公園を代替利用することもできます。
 

挙げればきりがないのですが、とりあえず、主なものをあげてみました。

同じ年齢の子どもが集まる施設ではありますが、そもそもの設置目的やシステムの違いがあり、入園に関する手続きが結構異なるので、そこをご理解の上、それぞれのご家庭のお考えに近いものを選択いただければと思っています。

※実際には、「幼保」と一口言っても、認定こども園、認可保育所、認証保育所、小規模保育所等々いろいろな施設があります。詳しいことは市役所(福生市の場合は子ども育成課)にご確認下さい。

※10月の無償化によって、保育園は給食の副食費以外、費用が掛からなくなります。幼稚園はこちらに書きましたのでご一読下さい